過眠症
◆症状
過眠症とは、日中に過剰な眠気または実際に眠り込むことが毎日の様に繰り返して見られる状態で、少なくとも1ケ月間は持続し、そのため学校生活、社会生活、職業的機能が妨げられ、あるいは自らが苦痛であると感じるものです。 ただし一回の持続期間が1ヵ月より短くても、繰り返して過眠期がみられるものも含みます。睡眠不足から起こるものではなく、人並みの睡眠をとっていてもこのような状態が続く場合をいいます。
◆原因と対処法
過眠症とは、過眠を症状とする病気の総称であり、原因となる病気には次のようなものがあります。
①ナルコプレシー
思春期から青年期に多発する、代表的な過眠症のひとつであり、居眠り病とも呼ばれています。耐えることができない突然の眠気に頻繁に襲われる病気で、時と場所に関係なく、たとえば食事中など通常では考えられない状況であっても居眠りをしてしまいます。眠りの発作のほかに情動脱力発作、睡眠麻痺、入眠時幻覚、夜間の熟眠障害などを伴うことが多いのが特徴です。治療は、規則正しい生活、夜間に十分な睡眠を確保するといった生活指導と、薬物療法が主流です。
②睡眠時無呼吸症候群
ナルコレプシーと同様に代表的な過眠症です。大きないびきをかくのが特徴であり、睡眠中に呼吸が止まる無呼吸状態を何度も繰り返すため、睡眠の質が悪化し、慢性的な疲労感や日中の眠気に悩まされます。治療は、減量・禁酒・禁煙などの生活習慣の改善と、CPAP(睡眠中に鼻マスクを装着し、鼻マスクから空気を一定圧で送り込む)やマウスピース、外科施術といった方法があります。
③反復性過眠症
周期性傾眠症ともいい、青年期に多発し、過眠(傾眠)状態が昼夜を問わずに数日間から数週間程度続く状態を繰り返します。傾眠期に過食をともなうクライネ・レビン症候群や、月経の周期に一致して起こる、月経関連過眠症もあります。まれな病気であり、治療は難しいとされていますが、次の傾眠期が来ないような予防対策として、リチウムや気分安定薬が有効な場合があります。発症に関してはストレスが誘因となることがあるので、家族や周囲の人々の理解と協力が必要となります。
④突発性過眠症
おもに昼間に1時間以上持続する、日中の眠気が主症状の病気です。目覚めたときに頭がぼんやりした状態が持続します。立ちくらみや四肢冷感などの自律神経症状を伴うこともあります。睡眠を10時間以上に延長しても日中の眠気が生じる長時間睡眠型と、正常範囲の睡眠で日中の眠気が生じる非長時間睡眠型があります。発症頻度は少なくて、まだ有効な薬は開発されていないのが現状です。
⑤むずむず脚症候群
夜、寝ていると主にふくらはぎなどに「むずむずする」「虫が這うような不快感」などの異常感覚が起こるために、じっと寝ていることができなくなる症状です。脚をたたいたり、歩き回ったりして動かすと、違和感が改善するという特徴があります。このため睡眠不足が続くので、日中に眠気が起こりやすくなります。対処法としては、誘発誘因になるカフェインやアルコールを控えることや、規則正しい生活を送ること、そして就寝前のマッサージが症状の軽減に効果があるとされています。薬物療法としては、薬物療法としては、クロナゼパムやドパミン系作動薬が使われます。
⑥周期性四肢運動障害
かつては夜間ミオクローヌスと呼ばれていた疾患で、睡眠中に下肢にピクンピクンとする不随意運動が周期的に出現します。このために睡眠が妨げられ、日中の眠気が起こりやすくなります。加齢により発現頻度が高まります。不眠として自覚されるのは重症の場合だけで、多くは本人が気づかないうちに夜間睡眠が障害されます。高齢者に多い症状です。治療法は、ドパミン系作動薬が効果的とされています。
⑦ 概日リズム睡眠障害
体内時計の狂いによって生じる睡眠障害で、覚醒と睡眠のリズムがずれてしまうので、日中に過度の眠気が生じることになります。交代勤務労働によるものや、なんらかの理由で体内時計が進んでしまう、あるいは遅れてしまう、時差ボケ、などの原因があります。対処法は、不規則な仕事が原因の場合は仕事を変える、朝すっきり起きれない場合は、朝太陽光線を浴びるようにする、時差ボケの場合は、出発の2.3日前から十分な睡眠を確保する、飛行機に乗ったらすぐに現地時間に時計を合わせる、といったことが効果があるようです。